サークル「狂詩曲」の送る、オリジナルTRPGです。
それは、望んだ未来を選び取る“魔法少女”たちの物語──。本作は、現代地球を舞台に、魔法少女に変身して世界を守る、少女たちの日常と戦いを描く作品です。PCたちに魔法の力を与えてくれたのは、巨大な化け物「九頭竜」によって故郷を飲み込まれた魔法の世界の住人。九頭竜は地球にも侵攻しようとしており、その眷属の脅威を止めるにはPCたち、魔法少女の力が欠かせません。
そんな本作で特筆すべき特徴が、シンプルなデータと判定による軽妙なバランスです。PC作成では、クラスに当たる6種類のタイプから1つを選ぶのですが、そのデータは能力値や攻撃範囲の他、「スキル」が1種類、強力なスキルというべき「スペシャル」が1種類とシンプル。さらに、キャラクターの特徴や背景などを表す「キーワード」を3つ決めれば、ほぼPC作成は完了なのです。
この分かりやすさは、判定でも同様です。本作のセッションは、世界やPCへの脅威の先駆けを描く「導入」シーンに始まり、その脅威を突き止めたり、PC同士やNPCとの関係を深めたりする「メインフェイズ」、そして脅威と対決する「クライマックスフェイズ」という流れ。
このうち、メインフェイズでの判定はトランプを使います。山札からカードを引き、赤のスートなら成功、黒のスートなら失敗です。PCは2回までカードを引けるので、1枚でも赤のカードを引ければOK。ただし、「調査」や「交流」、「特訓」といったPCの目的に合わせて、自分の「キーワード」と結びつけたロールプレイでシーンを演出する必要もあります。ここはPCの個性を際立たせるチャンスとも言えるでしょう。
クライマックスフェイズの戦闘では、トランプが行動の選択肢に。まずトランプの山札から一定の枚数を場に出し、それぞれが2枚のカードを手札として獲得。スートがそれぞれ「攻撃」「チャージ(スペシャルのリソースを獲得)」「回復」「スキル」に対応しており、状況に合わせて1枚を選びます。スートだけでなく、数字も重要。その高低が行動順に影響するほか、PCが同じ数字のカードを持っていればコンビネーションが発生したとして有利になるからです。
こうした基本的なルールの分かりやすさに加え、バトルにバリエーションをもたらすのが「魔法」です。PCはミドルフェイズの特訓などで魔法を獲得。トランプの1枚1枚に対応する52種類の魔法が用意されており、戦闘中は任意のタイミングで発動できるため、戦術に幅が生まれます。この魔法カードは印刷用データ(公式サイト)が用意されているほか、きれいなデザインの専用カードセットも販売中です。専用カードを使えば、セッションが盛り上がること間違いありません。
このようにルールもデータもデザインも、実に同人レベルを超えた作品です。皆さんがこのページを見たのも、運命なのかも!