[コミックマーケット96新刊]
サークル「どらこにあん」が送る、オリジナルTRPGです(B6判・202ページ)。
──ようこそ、もしくはお帰りなさい、終わりかけた世界へ。
本作は、ゲームマーケット2016神戸で、サークルどらこにあんが頒布したオリジナルファンタジーTRPGの改訂版です。
舞台は、世界を守護していた神々が滅び、荒野となった世界ハイベルニア。不毛となった世界でも、人々は偽物の神(トート)が治める都市によって生き永らえています。しかし、トートは完璧な神ではありません。人と同様に歪みや悲劇を抱えており、それが人や都市を歪め、ついには悲劇で埋め尽くしてしまう。
そんな終幕を防ぐためにフィラ(詩祈)がいます。神々の奇跡を再現する“神秘の詩アルセット”をうたえる唯一の存在であり、彼女の詩だけがトートを悲劇から解放できるのです。PCは、このフィラを守護するジーク(騎士)となって、彼女と共に廃墟と化した世界を巡り、悲劇を防ぐのです。
こうした切ないファンタジー世界や廃墟の雰囲気もたまらない魅力なのですが、戦闘ルールにも工夫が凝らされています。そのキーワードは「根源詩」と「律動」です。
都市の奥にいるトートを探し出したら、その悲劇や歪みを解消するために「根源詩」を歌い切る必要があります。単に戦闘の勝利条件というだけでなく、ジークへの支援効果も持つため、戦闘前の根源詩の選択が重要になります。
一方で、根源詩を歌うと魂の輝き、「律動」が高まってしまいます。この律動を脅威とみなしてトートが攻撃してくるため、ジークは律動を高めて攻撃の狙いをフィラからそらしたり、律動を低めたまま攻撃したり、キャラクターを移動させたり、それぞれの特徴を生かしてトートの猛攻を凌ぎ切らねばなりません。つまり、「律動」をコントロールしながら、GMが担当するフィラを「根源詩」が完成するまで守り切れば勝ち、というわけです。
もちろん、サークルどらこにあんだけにただの改定ではありません。200ページを超える厚さは大幅加筆の証なのです。無印版であえて曖昧にされていた世界設定が追加され、神々の設定やハイベルニアの在りし日の姿が明らかに。
さらに戦闘ルールやデータも、より遊びやすく分かりやすく調整されました。また、『銀剣のステラナイツ』でも使用された架空言語、調律言語の辞典が収録されていることもコアなファン垂涎の内容といえるでしょう。無印版を購入した方も、初めて本作を知った方にもオススメの作品です!
もちろん、コミックマーケット96会場でもご購入いただけます。会場に行くなら、8/9(金)ブース「南ハ-22a」へ!