サークル「遊学芸」が送る、オリジナルファンタジーTRPGです(A5判/68ページ)。
冒険者となってダンジョンに潜り、財宝を手に入れる。そう書けば、よくあるファンタジーTRPGと思うかもしれませんが、この作品の独特な点が「4~100人で遊べる」という規格外の懐の広さです。しかも、人数に限らず、1時間でセッションを体験できるのです。
本作の主な舞台となるダンジョンは、突如として出現し、一定時間で消えてしまうという不思議な空間です。魔物などが待ち構えていますが、財宝も眠っているため、多人数で一気に攻略するのが冒険者たちのセオリーとして知られています。PCは、そんなダンジョン攻略を目指す冒険者チームの一員です。
多人数も想定しているため、セッションは参加者全員で協力してダンジョンを進んでいく形に。途中で出てくる罠や敵には、PCが持つ「体力・知識・感覚」の3つの能力値のいずれかで判定を行います。レベル分の6面体ダイスを振り、その出目が能力値以下なら成功。この成功数を参加者全員で合計し、目標値を上回れば判定に成功したことになります。
集団行動ではチームワークが欠かせません。本作でHPの代わりとなっているのが「団結力」。判定に失敗した時などに団結力が下がり、0になると冒険者性の違いが顕在化して解散の危機に陥ってしまいます。といっても、PC同士で励まし合う「結束」イベントが発生。ロールプレイをすることで団結力を回復できます。
こうして進んだダンジョンの最奥では、クライマックスイベントが待ち構えています。ここでは全員が判定に成功しないと、クリアできない難しい判定に挑むことに。このため、プレイヤーのアイデアが欠かせません。能力値に応じて所持できるアイテムを活用したり、状況を上手く利用したりして難易度を低くしましょう。
こうしたルールは多人数も想定しているだけにシンプルで、TRPGを知らずともゲームに慣れた人ならすぐに遊べるでしょう。多人数向けに遊ぶ場合のホワイトボードの使い方、行動のまとめ方なども説明されており、学校などのイベントとして遊ぶのにも適しています。
なお、公式サイトでは体験版が無料でダウンロードできるので、興味がある方はまずこちら(リンク:公式サイト)をご覧になってみてください。普段の少人数セッションはもちろん、学校や会議室で、黒板やホワイトボードを使いながら、多人数でアトラクションのように冒険を楽しむこともできますよ!