[コミックマーケット90新刊]
サークル「なめくじたべぞう」が送る、オリジナルTRPGです(B5判60ページ)。
手軽に推理ドラマの主人公となって、事件解決を楽しめるTRPGです。本作なら、刑事物や法廷物、科学調査物など、皆さんがイメージする大抵の推理作品に対応できるでしょう。
事件に挑むPCは、頭脳明晰な一方で狂気を持つ「常軌逸脱(スクインツ)」や鍛え上げた肉体で解決する「肉体自慢(フィジカルモンスター)」、事件が歩いてやってくる「不幸体質(アンラッキースター)」など8種類のタイプ(クラスのようなもの)から2つを選択して作成します。さらにこのタイプから特技を選ぶことで、ミステリやサスペンスに登場するキャラクターらしい活躍ができる仕組みです。
判定は、その状況や目的ごとに「推理」「注意」「行動」といった能力値の数値分の6面体ダイスを振り、目標値以上の出目が出れば成功です。ただ、使用するダイス分だけ行動リソースというべき「活力」が減少してしまうので、できれば少ないダイス数で成功したいところ。
そんなPCで挑むセッションでは、主に2種類のシートを使います。1つが、本作のセッション展開の中心を担う「事件表」。「場所」「痕跡」といった事件の入り口となる要素から、事件の根幹となる「動機」「人物」まで6つの要素から構成されています。PCは判定に成功した際の余りダイスを使って、この事件表にある手がかりを獲得し、6つの要素の中の確実な証拠を1つずつ見付け出すことで、事件の真実を明かすことを目指します。推理や証拠の獲得状態が明示されることでで、GMの進行管理も楽になっています。
もう1つが、敵役の状態を表す「追及ゲージと心理状態」シート。追及ゲージはPCが敵をどこまで追いつめているかを示すもの。また、心理状態は、敵がどの能力値の調査を妨害しようと考えているかを示すもの。妨害されている能力値の判定ダイスは-2されてしまうため、敵側の狙いを潜り抜けて効率よく調査する必要があります。また、敵役と言っても、事件の犯人だけでなく、裁判物における弁護士や検事にも利用できるのも面白いところ。
推理物というと身構えてしまう方もいるかもしれませんが、前述の通り、独自シートをはじめシステムのフォローがあるので、GMも楽になっています。さらに、リプレイやサンプルキャラクター、サンプルシナリオ1本と初挑戦するのに必要なデータも充実。独自性と遊びやすさを両立した、オススメのオリジナル同人TRPGですよ!