［コミックマーケット92新刊］

サークル「なめくじたべぞう」が送る、オリジナルTRPGです（B5判60ページ）。

個性的かつ良質なオリジナルTRPGを提供し続ける同サークルの新作テーマは、ゾンビや怪獣、テロリストなどの脅威から、仲間と力を合わせて生き延びる“サバイバルホラー”物！　この『サバサル（Survive＆Salvage）』なら極限的なシチュエーションでのスリリングな恐怖を、手軽かつスピーディに体験できちゃうというわけです。

そのセッションは、マップを動き回って、脅威をやり過ごして全員で脱出するか、あるいは脅威と対決して排除すれば成功となります。サバイバルホラーやパニックホラー映画をイメージすると、分かりやすいでしょう。使うランダマイザは、6面体ダイスとトランプ一式です。

ゲームでは、実際にマップを使って各エリアを踏破していきます。ただ、未踏破エリアに踏み込むときは、脅威と遭遇する危険があります。このとき、GMはトランプを引きます。そのスート（ハートやクローバーなど）がエリアのスートと一致したら、PCが気づかないまま脅威に接近されていることになります。

といっても即、襲撃されるわけではありません。ここで驚きのルールが「知覚域」と「アラートダイス」。PCが注意できる方角を、頭上、左右、足元などと6つに分類しています（サンプル画像のキャラクターシートも参照してみてください）。このどこかの方角から脅威が襲い掛かってくるのです。

そこで役立つのがアラートダイス。PCはあらかじめランダムに振った複数のダイスをアラートダイスとして所持できます。この出目がそれぞれ方角に対応しており、脅威の出現方角と一致していれば、不意打ちされることなく脅威の存在に気付けるのです。このアラートダイスは、その他にも消費することで判定の底上げなどにも使える便利なもの。PCの命綱といえるでしょう。

この脅威を先に発見したのなら、「やりすごす」こともできます。PC全員がアラートダイスを消費して判定する必要がありますが、成功すれば一時的に遭遇確率をゼロにできるという重要なもの。アラートダイスは休憩できるエリアで休憩すれば回復できるので、上手く活用したいところ。

その他にも独自性があるルールですので、ぜひルールブックをご覧いただきたいところ。ちなみに肝心のPCの主な能力も紹介しておきましょう。「主能力」は「肉体」「精神」「技術」の3種類。といっても肉体はHPや所持アイテム数に、精神は特定の判定のダイス数に、技術は技能決定時のカード枚数やアイテム効果に影響するといったように、全部が違う意味を持ちます。初期PCなら6点を振り分けるのですが、非常に悩ましいですね。

他に重要なステータスとして「技能」があります。「探索」「警戒」「工作」「追跡」「科学知識」などの46種類から5つを取得。「逃げる」「立ち向かう」などの基本的な行動をするにも技能が必要です。逆に言えば、「立ち向かう」を持っていなければ戦えないキャラクターというのを自然に表現できるわけです。この技能が主な判定に使用されます。サイコロフィクションの行為判定で使う特技の一覧表のように技能表がキャラクターシートに付随しており、GMが指定する判定の技能から、自分が所持している技能までのマス目の分、目標値が上がるという仕組みです。

ちなみに、キャラクター制作では、職業や外見・中身、名前、口癖などの表も完備しているので、手軽に個性的なPCを生み出せます。このキャラクターが犠牲者になるのか、生き延びる重要人物になるのかは……PLであるあなた次第です。

さらに、サンプルシナリオ「ジャパリシャーク」1本や汎用マップも掲載。商業作品にそん色ない高クォリティのオリジナルTRPG、遊んでみないと損ですよ！