本書を読んだあなたは、こう呟くことでしょう。
「訳が分からないよ」

本書は一見しただけでは首を傾げるばかりの変わったTRPG同人誌です。全124ページと同人誌にしては厚めのボリュームに盛り込まれた内容を羅列するだけでも、そのカオスぶりが分かります。

商業TRPGの作品カタログ、
CLAMP学園TRPGリプレイ、
落語「サイコロ長屋」、
小説「虚構の恋」……など。

このように、まるでバラバラな要素が詰め込まれていて、しかもTRPGリプレイを軸に関連し合っているのです。読み終えて初めて、「ああ、こういうことか」と腑に落ちることでしょう。

ちなみに、軸となるリプレイで使われたシステムは、漫画「CLAMP学園」の公式ガイドブックに掲載されていたTRPGルール。GM不在で、トランプを元に展開していくセッションは、予期せぬ展開の連続になります（そもそも、このシステムを使ったリプレイ同人誌が出るなんて予想もしませんでした）。

文学同人誌の趣を持った、一風変わったTRPG同人誌。面白いかは人を選びますが、脳内をグリグリと刺激してくれることだけは保証します！

本作の制作サークル「打算とも名誉とも無縁なもの」の代表・遠野よあけさんと、ベテランゲームデザイナー伏見健二さんという異色の対談記事をTRPG every dayで公開しています。ご興味ありましたら、ぜひご覧ください！