[ゲームマーケット2018秋 新刊]
サークル「あかしや」が送る、ちょっと変わったシナリオ集です(B5判72ページ)。
本作のシナリオは「マルチジャンルホラーRPG インセイン」「魔導書大戦RPG マギカロギア」「永い後日談のネクロニカ」の3システムから計6本(短編3本、3話構成キャンペーン)を収録しているのですが、キャンペーンがこの3つのシステムにまたがっているのです。
インセインシナリオ「memory」(特殊型・4人・4サイクル)から始まるキャンペーンでは、舞台となるのは現代日本。「望遠の館」という宗教団体を、思い思いの理由から訪れたPCたち。しかし、見学どころか、テロ騒ぎに巻き込まれ、さらには得体の知れない怪物も出現。「望遠の館」には一体何が隠されているのでしょうか……。
続くのはマギカロギアシナリオ「極楽焦土」(4人・3サイクル)。望海市に禁書の出現が確認されました。時同じくして、行方が分からなくなった同僚の魔法使いが。さらには、願いが叶うという宗教団体「春暁」に入れ上げる友人もいて、魔法使いたちの頭を悩ませます。禁書はいったいどこに?
キャンペーンの最後を締めくくるのが、ネクロニカシナリオ「わたしはアリスになりたかった」。機械だらけの部屋で目覚めたドールたちは、全身を拘束され、何度も電気ショックを浴びせられます。気を失うと、夢のように思い浮かぶ記憶は不思議と心当たりがないものばかり。この苦痛に満ちた実験から逃げ出さねばなりません。
これらは、いずれも単発セッションとしても遊べますが、キャンペーンとして遊ぶことで奥行き深い物語を味わえるつくりになっています。
また、本書の特徴として、シナリオの目安として「つらみ度」を明示。シリアスで葛藤要素の強さが分かるようになっています。つまり、もだえるような“つらみ度”の高い展開がお好きな方にはオススメのシナリオ集です。ご興味が湧いたら、ぜひお手に取ってみてください。