サークル「なめくじたべぞう」が送る、同人オリジナルTRPG「グレイブライン」は空戦ロボット物です。2090年の地球を舞台に、プレイヤーキャラクター(PC)が担当するのは、人型ロボット兵器「グレイブ」のパイロット。同じグレイブと戦うのですが、そのシチュエーションがやや特殊です。タイトルにもなっている「グレイブライン」はグレイブ同士の戦いを中継するTV番組のことなのです。
TV番組ですが、グレイブたちが使用するのは全て実弾で、パイロットが死ぬことも珍しくありません。このリアルの生々しさが、ゲーム内の世界中の人々を釘付けにしています。
本作はゲームの世界設定もそうですが、ルールも独特です。その一つが、サイコロとトランプを両方使うこと。といってもサイコロは、6面体2つを使うオーソドックスなもので、出目にプラスマイナスの補正を加えた達成値で判定の成否を決めます。
変わっているのがトランプの扱いです。トランプはそれぞれに手札として数枚ずつ配られ、戦闘以外では判定するために1枚を使います。つまり手札の枚数内しか判定をすることができないのです。
また、グレイブ同士の戦闘──空戦中は、判定にこそカードを必要としないものの、グレイブの位置取りにカードを使用。このゲームでは空戦に専用マップがあり、それぞれのマスにトランプの数字とマークが割り当てられています。この位置取りが重要で、数字やマークが一定の条件を満たせば、敵の高空や背後を取れたものと見なし、有利に立ち回ることができます。
この他にも「死亡フラグ」を立てることで判定や状況を有利に変えたり(ただし死亡フラグが高まりすぎるとエンディングシーンで死亡する可能性が高まります)、毎回ランダムで決める「ファッキンナンバー」(その数字のカードを引いたら手札から破棄=手札の枚数が減る代わりに、悔しがるロールプレイをすれば死亡フラグを減らす効果も)などの独特なルールが、本作を独自性の高いものにしています。
このようにサイコロとトランプを両方使うというと複雑に感じられるかもしれませんが、限られた手札の中で有利な位置取りを狙いながら戦うという、シチュエーションにあったルールは、本作ならではの楽しさを生んでいます。ロボット物、しかも目まぐるしい空戦というキーワードにピンと来るなら、ぜひ遊んでみてください!