[商業作品]
■出版:新紀元社
■著:ジェイソン・M・ハーディーほか
■翻訳:朱鷺田祐介/シャドウランナーズ
背中に気をつけろ!
ためらわず撃て!
弾を切らすな!
ドラゴンには絶対関わるな!
『シャドウラン 5th Edition』へようこそ。
ストリートへようこそ。
あんたがここにいるのは、シャドウランナーとして必要なものを持っているからだろう。そしてもしその通りなら、ぜひともそれを使いこなす手助けをしてやりたいと思う。
まずあんたが知っとくべきなのは、誰もがそれを持ちあわせているわけじゃないということだ。
そんなわけで、手っ取り早くあんたにインタビューをしてみたいと思う。影の世界に入る資格があるかどうかを見極めるためにな。とっとと答えるんだぜ。今日び、のんびり過ごしてる時間なんてないんだからな。
あんた、想像力はあるかい? それと、自前の武器はどうだ?
暗い裏路地を歩いていると、足の裏で地面が歪んで、何かが物質化しながら地面から現れて、攻撃してきそうだ。さて、そいつが何者かはともかく、そいつをぶちのめす覚悟はあるか?
仕事の途中で状況が急に変わって、そこにはいないはずの警備員どもの群れに囲まれたとする。あんたに向かって銃弾やドローン、魔法の稲妻が押し寄せる。そいつを冷静にさばけるか?
自分の血と肉を捨てて、鋼とクロームで置き換えるつもりはあるか?
あらゆるものを通って流れる魔力のひとかけらを掴みとるために、精神をぶっとばされるリスクを冒す覚悟はあるか?
たとえ生体信号フィードバックで脳を焼かれるかもしれなくても、隣の奴に勝つために、自分のすべてをマトリックスに没入させる覚悟はどうだ?
最高であり続けるために、どんな代償でも支払うか?
ああ、インタビューはもういい。大事なのはこの最後の一問だけだからな。この根性と覚悟があるのなら、ストリートに出る準備はできている。あんたを待っている仕事は山ほどある。
厳重に守られた研究所から、最先端の研究計画を盗み出さなきゃならない。
ライバル・グループのリーダーに消えて欲しいギャングたちもいる。
権力を手にした重役たちは、隙あらば彼らの金を狙ったり、誘拐を企んでいるストリートの暴徒たちから自分たちを守らなきゃならない。
有毒廃棄物のある荒野に隠れ、発見されるのを待っているアーティファクトだってある。
そして、他人に恥をかかせるためなら金を払うという連中はどこにでもいる。もちろんあんたが引き受けるなら、だがね。
率直に言うが、どれも楽な仕事じゃないだろう。権力者の姿は千差万別だが、そのどれもがあんたを仕留めるために頑張って働いてる。
犯罪組織はあんたの血を、企業は魂を欲しがる。
警察と政府は当然、あんたにはどこか別の、自分たちとは縁もゆかりもない場所に行って欲しいと願ってる。
連中はあんたをブタ箱に入れるかもしれん。ひょっとしたら棺桶かもな。どっちにしたって構わないんだ。
あんたを狙っている奴らみんながそうなのかもな? 好きにさせるといい。あんたは、厄介ごとから逃げ回るためにシャドウランナーになったわけじゃない。
あんたは、誰かの言いなりになるんじゃなく、自分で選ぶと決めたんだ。だから、そうするんだ。あんたに足りないものなんてない。ストリートの犯罪者でも、平凡なシャドウランナーでもなく、それ以上になれるだけのものを、あんたは充分に備えているんだ。伝説になれるだけの条件は揃ってる。
そしてその伝説は、今始まるんだ。
(公式サイトより)