『永い後日談のネクロニカ』『でたとこサーガ』のインコグ・ラボが放つ2016年第一弾が、こちら!
『鵺鏡』は鬼や妖怪が実在する魔界と化した平安京を舞台とした伝奇ファンタジーTRPGです。
PCは、人としての心や身体の一部、家族などの喪失を抱えながら生き抜こうとするモノたち。それは人間に限るものでなく、式神や妖怪、果ては別時代からの来訪者などもPCにできます。
そんな多彩なキャラクターで活躍できる本作のシステムはかなり特殊です。攻撃力や体力といった戦闘に必要な能力値の概念は一切ありません。判定は20面体サイコロを複数個使い、攻撃や防御といった行動の成否ではなく、成功値を加算してセッション全体での目標となる成功値を目指すために行います。
というと単調のように感じるかもしれませんが、普通に判定しただけでは理想的なエンディングに必要な成功値は稼げません。そこでサイコロの出目を交換できるといったルールの他、PCの使える「業(特殊スキル)」によって結果を改善することがポイントになります。ただし、業を使用する際には、それぞれ決まった必須ロールプレイ(誰かを睨みつけて脅す、斬り付ける、など)に沿った行動をしなければなりません。この必須ロールプレイは単に使用条件というだけでなく、判定のたびにPCの行動が促されるため、物語の展開がどんどん加速していくことでしょう。
さらに、セッションを盛り上げるのが公式NPCです。本作に掲載された20体の公式NPCは、安倍晴明や源頼光、玉藻前など、創作物も含めた平安時代の著名なキャラクターばかりです。この公式NPCと、PCは時に対決し、時に協力することで、史実と幻想が入り混じった独特の物語を楽しめます。
この公式NPCをはじめ、架空の平安時代という世界観に豊富な紙面が割かれているのも本作の特徴です。公式NPCは1体につき6ページずつ、その設定や価値観、反応表などの豊富な情報を掲載しており、シナリオフックにもなるでしょう。平安時代というと知識がないことが気になる方もいるかもしれませんが、その不便を感じずに気軽に遊べます。
この怪異に満ちた和風ファンタジー世界をぜひ楽しんでください。平安風の驚きを意味する「あなや!」と叫べば、あなたも魔都の住人の一人です!