[ゲームマーケット2018大阪 新刊]
「サークルないつお」が送る、オリジナルTRPGです(B5判20ページ)。
シナリオ準備不要、『30分勇者』『30分勇者II』に続く“超高速”TRPGシリーズの第三弾がこちら。キャラクター作成15分、セッション45分の約1時間で、手軽にスリリングな冒険が楽しめる作品です。判定には6面体ダイス2個とトランプ1組を使用します。
舞台となるのはファンタジー世界のダンジョン。PCは幾多の難関を乗り越え、ついに最終ダンジョンでラスボスを討ち果たしました! 多くの物語では、そしてエンディングへと続くわけですが……本作では、ここからが本番。
最後の戦いで体力や魔力、装備やアイテムを使い果たした勇者たちにとっては、雑魚の代名詞であるスライムさえ強敵になりかねません。そんなエンディングを目の前にして、“脱出”という最後の難関に直面してしまった英雄が、本作のPCです。
そのPCのデータは、ジョブ(職業)として、勇者系・魔術師系・冒険者系・賢者系の4系統から1つを選択。さらにトランプを引いて、習得しているアビリティを決定します。
このアビリティがダンジョンの試練を乗り越えるためのPCの武器になります。そのルールは、サイコロフィクションに似たもの。アビリティはトランプの4種類のスートと13種類のカード、つまり52種類に対応した表になっています。同様に、ダンジョンの試練もトランプで決まります。この試練に対応したカードが示すマスと、最も近いアビリティまでのマスの数が、目標値を左右するのです。フロアによる難易度、そしてアビリティによる試練の乗り越えやすさを加味した数値を目標値として、6面体ダイス2つを振った出目が上回れば、PCの判定は成功です。
判定が成功でも失敗でも、PCの心は揺さぶられます。それによって得られるのが「希望」と「絶望」。絶望は疲労や不安を示し、フロアを進むたびに同数の希望を失わせます。一方で希望はダイスロールを振り直せる強力なリソース。PCは絶望に圧されながら、希望を支えに戦い抜くのです。
肝心のセッションは、ラスボスとの最終決戦からスタート(一番調子に乗れるタイミングですので、ロールプレイを楽しみましょう!)。その消耗した状況から、ダンジョンのランダムイベントや、PLごとにトランプを引いて決める試練を乗り越える形で3つのフロアを抜け、最終フロアにある脱出の試練に挑むという流れになります。
こうしたセッションの流れが分かりやすいように、本書にはリプレイも収録。コンパクトながら分かりやすい作りになっています。文句なしにオススメの作品です!